【金町】私の好きな本【利用者ブログ】

news2022/10/19

今日は、私の好きな本を紹介したいと思います。
私はこれまで1000冊以上の本を読んできたが、
まず最初に紹介したいのは、J.Dサリンジャーの
『ライ麦畑でつかまえて』である。

話のあらすじをざっくり言うと主人公の
ホールデン・コールフィールドは
17歳の高校生なのだが、彼はお世辞にも
まじめな優等生とは言えず、
授業をボイコットしたり様々なヤンチャをして、
学校を放校されてしまう。

そして、ホールデンは大人の偽善や欺瞞と闘いながら、
放浪の旅を続けていく、というものだ。
ホールデンの行動は今でいう「モラトリアム」というものだ。
17歳という大人でも子供でもなくそのマージナルな領域にいる
1人の青年それがホールデンである。

そして、ホールデンは自分の居場所を求めて、さすらいの旅をする。
それは、「何処にも馴染めず、まだ何者でもない」
宙ぶらりんな主人公の苦悩が見え隠れする。
そしてそれは、この本を読んだ当時大学生だった
私の心情とジャストフィットしたのであった。

その気持ちは50代になった今でも持ち続けているのであるが。
そう、私自身がいまだに「何者にもなれていない」のである。
世間では「思慮分別のある行動をし、理性的に考え、
周囲に迷惑をかけない生き方」が推奨される。

「それが、大人になることだよ」と言わんばかりに。
だが、はたして本当にそうだろうか。
たとえ未熟で思慮が浅くても、自分に正直かつ忠実に
いることの方がよほど「人間らしく」ないだろうか。
ホールデン・コールフィールドのように。

大学生の時に『ライ麦畑』を読んだ私は、
今思えば、そんな決断をしていたのかもしれない。

大人になっても、少年の心を持ち続けることは可能なのだろうか。
そんなのは青臭い理想論かもしれないし、
所詮「絵に描いた餅」なのかもしれない。
しかし私はそんな無理難題なことに
チャレンジしているように思う。

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